“もし、1台のカメラだけでやっていくとしたら?”
カメラをとっかえひっかえ、時にはやたらと増やしたりするけれど、頭の片隅には常にこの命題が存在している。ほんとうだよ。
コンデジも一眼もひっくるめて、「1台で運用できたら楽なのに」と思う。
出かけるたびにカメラの選択に悩む必要もないし、同じようにとっかえひっかえしているバッグの選択肢もずっと少なくなるに決まっている。
おそらくだけど、お金の節約にもなると思う。
まあ、きっと答えは出ないだろうけれど、この難しい命題に対して頭の中だけでなく言葉にして一度考えてみようと思った。
1月だし。
Contents
カメラボディに求めること
センサーサイズには拘らず、機能として求めるのは
①手振れ補正
②ファインダー(外付けではなく)
③できるだけ可動液晶(できればチルト式がいい)
④できるだけ防塵防滴
⑤有効画素数は多くを望まない。3000画素以下でもOK。
⑥握りやすいグリップ
⑦軽い方が有難いのは有り難い
⑧カメラ内RAW現像ができること
⑨メニューの階層が深くないこと
⑩動画機能は要らない
と、思いつくままに列挙してみたが、少なくない?
主な撮影場所や撮りたい被写体(写真)
一応都会と言われる場所に住んでいるので、街なかで写真を撮らない選択肢は今のところないし、むしろメインフィールドはそこだろう。
自宅の近くには淀川が流れているので、この場所で撮ることも多い。
そして京都や奈良によく行くので、神社仏閣も主な撮影場所のひとつだ。
そんな場所で撮りたいものは、
①ストリートスナップ
②鉄道
③橋や建物、神社仏閣等構造物
④風景
⑤(淀川にいる)鳥や猫
このあたりか。
①や③や④などはコンデジでも、いやむしろコンデジの方が不審者扱いされるリスクは低いかもしれない。
しかし、②とか⑤はコンデジではかなり厳しい。警戒されない距離からの撮影や、圧縮効果を生かしたいと思うことがあるので望遠レンズは必須。
そもそも何のために撮るんだ?
これまでフォトコンに作品を出したことがない。
そもそも作品作りを意識して撮ってきたことがない。←だから進歩しないのかも…
カメラを持ったスタートは、
子供が生まれたこと。
そしてキャンプを始めて、ついでにブログを始めたから。
言い換えれば、「記録」のために写真を始めた。
子供の成長の「記録」やキャンプから登山へフィールドが変わろうが、行った・過ごした「記録」には変わりないし、旅にしても「記録」。せいぜい、ブログやSNSに載せるだけの「記録」のためだ。
ただ、いつしか、ファインダーを覗くという行為が物凄く心地良いことを知った。
歩いていたり、自転車に乗っていたり、ふと心惹かれた様々な物を捉えようとして、ファインダーを覗く。ファインダーを覗いて、シャッターボタンを押す。そのわずかな時間だけど僕の頭の中は「無」になる。
その「無」が僕にとって癒しになっている。
だからGRのような、ファインダーレスのカメラはどうしても気持ちが長続きしない。ストリートスナップやそれこそ「記録」のためのカメラとしてのGRは最強だと思っているけれど。(特に、GRⅢxは欲しい)
しかし単焦点レンズであること、ファインダーレス、そのことだけでもGRのみで生きていくことはできない。
RAWで撮ることの基準の変化
もともとJPEGでしか撮れないカメラや、X70のようにフィルムシミュレーションありきで使っているカメラを除くと、JPEG+RAWで撮影をしている。近頃は、RAW現像せずに、撮ってだしのJPEG画像をそのままブログやSNSに使うことが増えてきたけれど、実は未使用のままのJPEG画像がかなり多い。MacのSSD容量の節約のために、いっそのことRAWのみで撮影しようかとも考えている。
しかし、FUJIFILMだけでなく他のカメラメーカーも、所謂撮ってだしの色味にかなり拘ってきており、僕自身結構好きな色味があったりする。lightroomでRAW現像をする際に、メーカーごとの色のプロファイルがあるが、それもはたしてどこまで実際のカメラ吐き出しに近づけられるかは現像者の腕に左右されがちだ。
もちろんオリジナリティを追求するにはそれで十分なのだが。
いっぽうで、メーカーごとにその呼び名が変わるが、例えばフィルムシミュレーションの中のひとつ、クラシッククロームを選択した場合、シャッターを押すごとにその色味を変えている人はどれぐらいいるんだろうか?少なくとも僕は、ほとんど変えることが無い。モノクロの方がいいと思うとさすがに変えるけれど、それ以外はその日は最初から最後まで、クラシッククローム一択ということがほとんどだ。そしてlightroomに取り込んで、この場面はむしろプロビアがいいかもと感じれば、RAWのカラープロファイルからプロビアを選ぶのだ。つまり必要とされないクラシッククロームのJPEG画像が残ってしまうことになる。
だから、いっそのこと撮影はRAW保存のみにして撮影後にカメラ内RAW現像もありかなと思っている。
撮影した後のプレビューをカメラのモニターで一瞬見た後は、カメラで画像を振り返ることはほとんどしない。それをRAWデータを見て、必要な画像だけカメラ内RAW現像してみるのもいいかなと思い始めた。もともとが一日に100を超えるようなショット数ではないから、せいぜい、数十枚ならそんな作業をしてもいいかもしれない。
求める機能の中に、カメラ内RAW現像を条件にしたことにはそんな理由がある。
先日の、G100で撮影した東京スナップの何枚かをカメラ内RAW現像してみた。実にスムーズに操作できたし、非常にわかりやすいメニューだった。そのうえ、プレビューが表示されるので、変化を確認しながら作業できるのがとても高ポイント。
ところが、Z6のカメラ内RAW現像はプレビューが表示されないので、実際に現像実施後じゃないと出来上がりを見ることができない。ということは意味のないJPEG画像がカードに保存されてしまうリスクがあるということで、それならむしろカメラ内RAW現像はしない方がマシだ。
ただカメラ内RAW現像は、バッテリー消耗が激しいのが難点だけど。
今のカメラ、Z6とG100について
最初に挙げたカメラに求めるもの8個のうち、それぞれのカメラはどれだけ満たしているのか?
1)Z6の場合
⑦の、「軽い方が有難いのは有り難い」以外はすべて満たしている。と言ってもZ6は特別重いわけではない。ボディの重さは675g、これより重いカメラはたくさんあるし、なんならマイクロフォーサーズのカメラにもZ6並みの重量を誇るものがあるんだから。
2)G100の場合
①の手振れ補正はない。(スチールのみ、動画は一応対応しているみたい)
③バリアングルだけど可動液晶
④防塵防滴ではない
ある意味当然なのだが、Z6の方が希望条件を満たしている。G100の防塵防滴ではないことはまあ、なんとか凌げるとして、やはり手振れ補正は欲しいなあ。
しかし、コンデジでない以上、ボディだけの比較だけじゃなくてレンズを含めた検討が必要だろう。
記録はやがて記憶に変わる
少しテーマから逸れてしまうけれど。
カメラで撮影した「記録」は、次にPCやiPhoneに「記憶」される。
僕のlightroomのカタログのフォルダは、撮影した年を基準に作り始める。そしてその下部ファイルは、カメラごとに記憶させてきた。
例えば、『’22photography』>『Nikon Z6』や『G100』といった具合に。つまり、カメラの数が多ければ多いほど、おのずとフォルダ数も増えることになる。特にここ数年のカメラの頻繁な入替によって、フォルダがとても雑多になってしまった。ようやくこのままではいかん、と気づいて、今年からカメラ名フォルダではなく、被写体や目的等でフォルダ分けをするように変えた。
lightroomのフォルダ管理も、カメラ台数が少なければ悩む必要なんかないんだけど。
でも、結局は
ここまでで、文字数にして2800字を超えた。
それほどの文字数を使っても、結論としてZ6だけでやっていくと宣言できない。
理由としては、
1)大きい
ボディ単体ではさほど感じなくても、レンズを含めて考えるとやはり大きいかな。40mmとか小さいレンズもあるけれど、300mmを超える望遠域のフルサイズレンズは大きい。値段も高いし…
2)レンズの選択肢
最近ようやく、タムロンからZマウントのレンズが発売されたけれど、マイクロフォーサーズマウントの成熟度から見れば、まだまだその選択肢は少ない。もちろんFマウントレンズをアダプターに介すればいいんでしょうけど、そもそもFTZを買う意欲がない。だってFマウント資産を持っていなかったから。
では、マイクロフォーサーズのみという選択は?
結局僕に一番フィットするのは、マイクロフォーサーズのような気はしている。
(ただこの場合、オリンパス、OMはメニューの階層が面倒すぎて嫌なのでパナ一択)
オリンパスのE-PL3から始まって、マイクロフォーサーズの世界にこれまで幾度となく出たり入ったりしてきたんだろうか?
入るきっかけはいつだって、コンパクトさに惹かれることから始まるけれども、あくまでもサブカメラとしての位置づけだった。そして、時に、メインカメラの入替資産としてその役目を終えるという切ない行為に巻き込まれてきたマイクロフォーサーズのカメラとレンズ達。
僕はこれまでマイクロフォーサーズの世界に真摯に取り組んできたんだろうか?
今すぐに1台のカメラに決めるなんてことはできないけれど、Z6という頼りがいのあるカメラが手元にあるうちに、マイクロフォーサーズにちゃんと向き合ってみようと少なくとも今は思っている。
その結果がどうなるかは、さっぱりわからない。
X100Vの予約取り消そうかなあ。
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