Kindleを使うようになってから、実物としての本、特に小説の類を買わなくなった。
僕の本の読み方はかなり独特である。
飛ばし読みが過ぎるのだ。
それが面白ければ面白いほどに、そのスピードは速くなっていく。
結果が気になって仕方がないから。
作者が、一生懸命紡いだ文字やその構成など知ったこっちゃない。
それほど上っ面を読んでいく。
だから作家さんからしたら、僕の読み方には不満があるんじゃないかなぁ。
でもね、その読み方にも利点がある。
何度も読み返すことができるのだ。
結末を知っていようが、読むたびに新しい発見がある。
むしろ結末を知っているからこそ、安心して読み返すことができるのだ。
それでも、読むスピードは速いので、2度3度、いや何回も読み直すことができる。
そういう意味では、Kindleは便利だ。
iPadやiPhoneはもちろん、仕事のPCですら時間があれば読めるのだから。
さて、そんな僕でも実際に本を買うことがある。
kindle版になっていないモノ。
そして大好きな作家さんの本…
今回はそんな大好きな作家さんの新刊のお話し。
高田 郁著 『花だより みをつくし料理帖 特別巻』
みをつくし料理帖は、4年前の夏、ちょうど10巻目で完結した。
今でも1年に1回は読み返すほど大切なシリーズ。
何度も何度も同じ場面で涙がこぼれてしまう。
主人公の澪だけでなく、登場人物が一人ひとり物凄く丁寧に描かれていて、感情移入が半端ないのだ。
さて、そんな完結編から4年。
今回描かれる舞台も4年が過ぎた未来のおはなし。
・相変わらずの種市のおはなし。
・小松原様の不器用な優しさがにじむおはなし。
・野江がどうやって生きていくのか?気になって仕方がなかった、謎解きがされるおはなし。
そして、
・澪と源斎の相変わらずのもどかしいやりとり。
おそらく、読者の大半が気になって仕方がなかったであろう4人(組)の4年を描いた特別編。
このあたりの話の提供で、高田さんの読者はまた心をぎゅっとつかまれることだろう。
4年前の『天の梯』は見事なフィナーレであったけれど、澪と野江は大坂でちゃんとやっていけるのか?
それはもう、親戚の叔父さんが、かわいい姪っ子を心配してやまない、そんな感情が読後感として残った。
そんなもやっとした心配を一掃させてくれた今回の特別編だ。
これでもう、澪も野江も、大坂でちゃんと生きていける。
この特別巻でもって、みをつくし料理帖シリーズは堂々のハッピーエンドで幕を閉じることができた。
この本もかなり、飛ばし読みすぎたので、今2度目の読みなおしをしているところです(笑)
(注)江戸時代のお話しなので、大坂と表記しました。
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